2022年に観た新作映画ベスト10

映画レビュー

明けましておめでとうございます。
2022年に公開された新作映画のなかで、個人的に好きだった映画ベスト10です。

10位:「ハウス・オブ・グッチ」

https://eiga.com/movie/95776/photo/

個人的には期待以上に面白くて大好きな映画でした。こういった「世界仰天ニュース」的な映画はかなり大好物です。「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」も思い出しました。レディー・ガガは本業が歌手だとは思えないくらい、オスカー俳優たちのなかでも抜群の存在感を放っていましたね。実話ベースだということは知っていたので、ラストの展開はちょっと驚きでした。
“Mother, Father and House of Gucchi”で十字を切るシーンがお気に入りです。

9位:「ある男」

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鑑賞後、重厚なミステリー小説を読み終えたような気分になりました。他人の人生を名乗ることでしか生きられなかった「ある男」こと窪田正孝さん、彼の人生に触れていく中で次第に自分自身を見失っていった城戸を演じた妻夫木聡さん、二人とも圧巻の演技でした。

8位:「LOVE LIFE」

https://eiga.com/movie/96701/photo/

鑑賞後もずっとさまざまなセリフやシーンが心に残っている映画です。とにかく登場人物たちがみんな「主人公を取り巻く都合のいい人物」ではなく、それぞれの生き方があり、たまたま交錯したタイミングで人生を共にしただけ、という描き方がとても良かったと思いました。矢野顕子さんの歌『LOVE LIFE』から着想を得たという本作、「どんなに離れていても 愛することはできる」という歌詞が染み入ります。

7位:「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」

https://eiga.com/movie/91844/photo/

ウェス・アンダーソン監督作品は基本的に好きなんですが、本作は観終えたあとに何とも言えない幸せな気持ちが込み上げてきました。映像がおしゃれ、かわいい、というビジュアル的な魅力だけでなく、人間の描き方やセリフに心を打たれる瞬間が多かったです。人生はビターだしどこまでいっても人は孤独だけど、確かにあの日に存在した美しい瞬間やあの人を、映画にしか、いやウェス・アンダーソンにしかできない描き方で懐かしみ愛おしむ、そんな映画でした。

6位:「ボイリング・ポイント 沸騰」

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「90分ノンストップワンカットのレストラン映画」というアイデアに脱帽。レストランやお料理、シェフがテーマの映画は数多くあれど、こういった視点でのフード映画は初めてだったので、とても新鮮でした。仕事の能力や上下関係を超えて見えてきてしまう職場での立ち位置、対処しなくてはいけないのに怠慢で放置されたことやコミュニケ―ション不足で大問題になるミスなども含めて、すごく緻密なお仕事映画でもありました。

5位:「エルヴィス」

https://eiga.com/movie/92526/photo/

さほど期待せずに鑑賞しに行って打ちのめされた一作でした。腰を動かしながら歌って踊るだけで、投獄か兵役化の決断を迫られる時代があったなんて。キング牧師の暗殺やケネディ大統領銃撃事件で「自分に何ができるか」と葛藤して曲を書き上げる姿、死の直前のライブで歌い上げた「Unchaine Melody」。魂のこもった唯一無二のパフォーマンスは、時に絶対に変えられないと思われるような巨大な力に打ち勝つこともできるんだなと感じました。エルヴィスを搾取し、骨の髄までしゃぶり続ける強欲なマネージャーをトム・ハンクスが演じていたのも面白かったです。

4位:「マイスモールランド」

https://eiga.com/movie/95843/photo/

映画を観ている間は私も「この国(日本)はなんてひどいんだ!」と偉そうにカッカしてましたが、私にそんな権利はあるのだろうか、という気にもなりました。同じ問題を扱ったニュースを見たときには自分ごととしては考えられなかったのに。サーリャと聡太の自然な演技がとにかく素晴らしくて、2人のやり取りをずっと見ていたかった。人と人が惹かれあう過程の美しさ、ふとした世界のまぶしさって、狙って描くものではないなと改めて思いました。

3位:「ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ」

https://eiga.com/movie/96562/photo/

「かわいいネコ」と「夫婦愛」をテーマにしたほっこり映画かと思っていたのに、観ていてずーっとつらい映画でした。絵を描くことでしか世界とつながれない、器用な生き方ができないルイスにとって、とくに制約の多い19世紀の人間社会では本当に生きるのがやっと。でも妻のエミリーとネコたちがいたから、この世界を美しいと思えたんだなぁ…。現代の「The Electrical Life of Louis Wain」の意味が分かったシーンは感動しました。

2位:「RRR」

https://eiga.com/movie/96903/photo/

これはもう実質1位、グランプリ、チャンピオン枠といっても良いのですが。
こんなにド派手なアクション、マーベルシリーズ10作束ねても敵わないと思いますし、歌もダンスも戦いシーンもてんこ盛りなのにムダなシーンはひとつもなくて、映画ってなんてすばらしいんだ…と思わせてくれました。自分で放った虎にも普通に襲われたり、勢い余ったら枝が刺さったり、派手なアクションでもちょいちょい描写がリアル(?)なのも良かったです。

1位:「コーダ あいのうた」

リメイク元の映画の「エール」があまり刺さらなかったので鑑賞前はちょっとどうかなと思ってましたが、2022年に一番心に残った映画はこちらでした。ヤングケアラー問題だ、行政をもっと頼れっていうのは簡単だけど、社会のシステムと家族のしがらみは別問題で。助け合うことと犠牲になることの違い、自分の人生に言い訳せずに配られたカードでどう戦っていくか、どんな家庭で生まれ育った人生にも共通する物語でした。オスカーで助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァーさんのスピーチもすばらしかったです。

https://eiga.com/movie/96041/photo/

以上、2022年に観た新作映画ベスト10でした。
2022年は「トップガン マーヴェリック」「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」「NOPE ノープ」「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」など超大作も多かったですが、(これらももちろん、ツッコミどころはありつつ基本的に面白かったです)個人的に好きだったランキング10でした。2023年はもっとたくさんの映画を観たいと思います!

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